
特別支援学校に入るとママ友付き合いは盛ん?



他の保護者と無理のない範囲で交流したい
本記事では、上記のようにお悩みの方に向け、特別支援学校の保護者の交流事情について、実体験をもとに紹介します。
- 特別支援学校では保護者同士の交流がどれくらいあるのか
- 特別支援学校と普通級で感じた保護者交流の違い
特別支援学校に入学するとき、多くの保護者が気になるのが、保護者同士の交流はどんな雰囲気なのかという点ではないでしょうか。
特別支援学校では、普通級に比べると交流のスタイルが異なり、ママ友のような深いつながりは生まれにくい一方で、同じ境遇の仲間として支え合える関係が築かれやすいのが特徴です。
スクールバスや行事で顔を合わせる場面も多く、障害児育児について情報交換や相談がしやすい環境が整っています。
本記事では、私自身の体験を交えながら、特別支援学校の保護者同士の交流の実態や共働きとの両立についてまとめました。
特別支援学校の保護者交流はどれくらい?
特別支援学校に進学するとき、多くの保護者が気になるのが「保護者同士の交流は盛んなのか?」という点です。
実際のところ、学校によっても差はありますが、通常学級に比べて「子供の障害や困りごとについて話しやすい」と感じる方も多くいます。
とはいえ、特別支援学校だから保護者同士の交流が盛んというわけではなく、授業参観や行事、保護者会などがきっかけとなることがほとんどです。
【体験談】特別支援学校と普通級で感じた保護者交流の違い
娘は普通級、息子は特別支援学校に通う私にとって、それぞれの学校で保護者同士で会話する内容や交流の雰囲気が異なるのは印象的でした。
あくまで私の体験になりますが、特別支援学校と普通級で感じた保護者交流の違いについて解説します。
子供の障害についてはオープンな雰囲気だった
当たり前といってはあれですが、普通級では子供の障害や特性について口にする親はほとんどいません。
個人面談では先生と特性について話をする方もいるかもしれませんが、保護者会などでオープンにする空気はありません。
一方、特別支援学校では当たり前のように子供の障害名や既往歴について話します。



我が家も、息子が急性脳症の後遺症で知的障害+弱視であると伝えています
障害といっても特性や程度も異なりますし、先天的か後天的かでも困りごとや保護者の気持ち、きょうだい児の事情も変わってくるはずです。
こういった事情を気軽に話せる雰囲気なので、特別支援学校の方が子供の障害について話しやすいと感じました。
きょうだい児や保護者の就労状況などはあまりオープンにしない
特別支援学校は通っている子供の障害については気軽に話すものの、きょうだい児や保護者の就労状況についてはあまり深掘りしない雰囲気です。
きょうだい児について話すときは、年齢や性別くらいしか話さず、進路や習い事などの話も仲が深くない保護者とはほとんどしません。
地域の公立小に通わせていると、子供の友達の兄弟姉妹についても顔見知りだったり、自然と情報が入ってきたりします。



「下の子、いよいよ入学だよね〜」とか「受験大変だよね、お疲れさま」とか気軽に話す雰囲気です
一方、特別支援学校は離れた地域から通う子も多く、児童・生徒の兄弟姉妹については顔も名前も知らないなんてことがざらにあります。
就労状況についても、働きたくても子供のケアで働けない方もたくさんいるので、あまり口にしないようにしています。
クラス単位以外の保護者会も開催される
特別支援学校では、学年やクラスごとの懇談会に加えて、小学部全体や寄宿舎利用者、スクールバス利用者などグループごとの保護者会も開催されます。



息子が通う学校の場合、同日にすべて行われ、該当するものに参加するスタイルです(大学の授業みたいなイメージ)
そのため、学年やクラスが異なる保護者とも自然に顔見知りになれます。
私は参加していませんが、PTA活動に参加する場合、さらに多くの保護者と知り合えるはずです。


学校主催の勉強会や交流会なども普通級より多い
特別支援学校では、保護者に向けた勉強会や交流会が比較的多く開催される傾向があります。
普通級では年に数回の保護者会や懇談会が中心ですが、特別支援学校では以下のような専門的な勉強会も毎月のように開催されます。
- 発達や障害に関する専門的な講演会
- 医療や福祉制度の情報共有会
- 進路に関する勉強会
- 入学検討者向けの育児イベント(保護者との座談会など)
参加は自由とされているものの、気になるものに参加していると結構な頻度で学校に行くことになりますし、同じく熱心な保護者と顔を合わすようになります。
保護者が話を聞くだけの勉強会スタイルもありますが、座談会やグループワーク形式のイベントだと他の保護者や教職員と話をすることもあります。
学校行事への参加率が高い・人数が少ないので不参加が目立つ
息子の通う特別支援学校は少人数制なので、学校行事にどの保護者が見学に来たかすぐにわかります。
また、学校行事の参加率自体も高めです。
普通級の場合、児童の人数も多く、「仕事が忙しいから」と行事に不参加でもさほど目立たないことがあります。



特別支援学校では子供の成長を一緒に見守りたいという意識が強く、行事に意欲的な保護者が多い印象です
PTA活動は普通級より盛んだった
特別支援学校のPTA活動は、想像以上に盛んです。
普通級では「役員は持ち回りで最低限の活動」という学校も多いですが、特別支援学校では子供たちの特性に合わせた環境整備や行事運営に保護者の協力が欠かせないため、活動が活発になる傾向があります。
例えば、学校行事の準備や当日のサポートやバザーや募金活動、他の支援学校と連携して自治体への陳情など活動が多岐にわたります。
学年の枠を超え、自然と親同士が仲良くなりやすいのはメリットですが、家事育児や仕事との両立が難しそうだなと思っています。



私は両立する自信がなく、PTAには参加していません
【体験談】特別支援学校に入学してママ友はできた?
特別支援学校でママ友ができるかは学校と自宅の距離、クラス事情、ママの性格による部分も大きいでしょう。
ママ友を無理して作らない派の私のママ友事情はこんな感じです。
- スクールバスのバス停が一緒のママとは世間話をする
- 一緒にランチ・お出かけをするようなママ友はできない
- お互いの家が離れているので常にママ友で集まるみたいなことはない
- 子供の特性的に習い事でママ友ができるみたいなこともない
それぞれ詳しく解説していきます。
スクールバスのバス停が一緒のママとは世間話をする
息子はスクールバスを利用しており、送迎時に会うママとは世間話をする程度の関係になりました。
- 放デイはどこに通っているか、どんな雰囲気か
- 子供の困りごとについて
- 仕事のこと(相手のママも在宅ワークをしているので)
数分から10分程度のことなので、深い話をするわけではなくても、同じような境遇の保護者と気軽に声をかけ合える環境は心強く感じます。
一緒にランチ・お出かけをするようなママ友はできない
一方、普通級でよくあるような「ランチ会」や「休日に子連れで遊ぶ」といった交流は、特別支援学校ではあまり見られません。



理由のひとつは、子供の体調や特性によって予定が立てにくいことがあげられます
さらに、親同士が集まっても子供たちのサポートが必要な場面が多く、落ち着いて会話を楽しみにくいのも理由といえるでしょう。
結果として「行事や送迎で会ったときに立ち話をする程度」で完結することが多く、プライベートで親密につながる関係はできにくいと感じています。
お互いの家が離れているので常にママ友で集まるみたいなことはない
特別支援学校は地域ごとに1校しかないケースが多く、通学範囲が広い点が特徴です。
そのため、同じクラスや学年の子であっても、自宅が車で30分以上離れていることも珍しくありません。
距離的なハードルがあるため、日常的に「公園で一緒に遊ぶ」「放課後に集まる」といった交流はほぼありません。



近所のママ友付き合いのように頻繁に会うことは難しく、行事やバス停での会話が主な交流の場になります


子供の特性的に習い事でママ友ができるみたいなこともない
また、普通級の子供であれば習い事を通じて自然にママ友ができることも多いですが、特別支援学校の子供の場合、それも難しいでしょう。
療育や放課後等デイサービスには通うものの、保護者同士が顔を合わせる機会は少なく、送迎もサッと済ませることが多いので習い事つながりのママ友ができることはあまりありません。
ただし、同じ療育や放デイに通っているという点がきっかけで、学校以外の場で再会し、軽く挨拶や世間話をすることはあります。



息子はスイミングにも通っていますが、習い事中も息子の様子が心配であり、他の保護者と交流する余裕は今のところありません
特別支援学校に子供が入学すると共働きは難しい?
ママ友事情とあわせて気になるのが、特別支援学校に子供が入学すると共働きを続けるのが難しいのかといったことではないでしょうか。
息子が通う特別支援学校の場合、確かに専業主婦のママも多いですが、仕事を続けている方もいます。
入学検討中の保護者とお話する機会もありますが、仕事を続けたいと悩んでいる方も多い印象です。
本章では、特別支援学校の保護者の就労事情について解説します。
学校と自宅が離れていると共働きは難しいかもしれない
特別支援学校は地域に1校しかないケースが多く、どうしても自宅から距離がある場合があります。
スクールバスが利用できれば助かりますが、送迎バスの発着時間に合わせる必要があり、勤務時間と噛み合わないと仕事を続けるのが難しいでしょう。
バス停が自宅から遠い場合には、朝と夕方の送迎にそれぞれ時間がかかることもあり、フルタイム勤務が難しいと感じる保護者もいます。
また、学校の規模やスクールバスの本数によっては、低学年や障害が重い子を優先する場合もあるので注意しなければなりません。
そのようなケースでは、子供の年齢が上がると送迎や自力通学の訓練をしなければならず、共働きを続けることが難しくなるでしょう。
共働き・夫婦で育児を協力している家庭も増えつつある
一方で、最近では共働きを続けながら特別支援学校に通わせている家庭も少しずつ増えている印象です。
ママだけでなくパパが送迎を担当する家庭も増えていますし、保護者会や行事参加を夫婦で分担している方もいます。
放デイも普及しつつあるため、フルタイムではなくパートならできそうと感じる方もいるでしょう。
学校側も共働きを応援する雰囲気がある
息子を特別支援学校に通わせて意外だったのは、学校側も保護者の共働きを前提に考えてくれていることでした。



「母親が支えるのが当たり前」的な空気を想像していたので、良い意味でギャップを感じました!
保護者会や勉強会もやむを得ず来校参加が難しければ、オンラインでの参加を認めてもらえる場合もあります。
学校側も地域の放デイの預かり時間を把握しており、預かり時間が長めの事業所を教えてくれることもあります。
こういった制度上のことだけでなく、教職員の中にも「子供に障害があるからといって母親が働きたいのに働けないのはおかしい」「今のそうなってしまう仕組みがおかしい」とはっきり口にしてくれる方もいて、非常に心強く感じます。
特別支援学校の保護者交流についてよくある質問
最後に、特別支援学校の保護者交流について、よくある質問を回答とともに紹介していきます。
- 特別支援学校の保護者交流ではどのようなことをしますか?
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特別支援学校での保護者同士の交流は、行事や懇談会、PTA活動などを通じて行われることがほとんどです。
懇談会では、学習の様子や進路の情報だけでなく「療育の利用状況」や「放課後デイの選び方」など、家庭に直結する話題が出ることも多々あります。
- 保護者は特別支援学校・学級とどのように連携していけば良いですか?
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特別支援学校や支援学級では、保護者と学校の連携がとても重要です。
子供の特性や体調は日によって変わりやすいため、家庭での様子を学校に共有することが、先生方にとって大きな助けになるでしょう。
連絡帳に子供の様子を詳しく書いたり、面談で具体的に伝えたりなど「家庭で困っていること」や「うまくいった工夫」を共有することをおすすめします。
- 特別支援学校同士の交流はありますか?
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地域によっては、特別支援学校同士で交流会や合同イベントが行われることもあります。
例えば、運動会や文化祭の一部を合同で行ったり、進路説明会を複数校合同で開催したりするケースです。
【まとめ】ママ友付き合いが不安な方も気負いすぎなくてOKです
特別支援学校での保護者交流は、普通級に比べて穏やかなつながりだなと感じます。
行事や懇談会、PTA活動を通じて自然に会話が生まれ、同じ立場だからこそ安心して悩みを共有できます。
一方、ママ友グループのようにママ同士が友人になることはそれほど多くはありません。
地域の公立小と異なり、特別支援学校は通学エリアが広いのでランチや休日のお出かけをママ友同士で楽しむのは難しいかもしれません。
学校つながりではないですが、私は近所に同じ療育センターに通っている親子がいるため、その方とは何度かランチを楽しんでいます。
近所や療育センターなど、学校以外の場所で仲良くするママ友を見つけても良いでしょう。
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