
子供の発達が遅れていて検査を受けたいんだけど、DQとIQは何が違うのかな?



どちらの検査を受ければ良いのかもわからないし、検査を受けられるところもよくわからない……
本記事では、上記のようにお悩みの方に向け、DQとIQの違いとは何か、検査方法について解説します。
- DQとIQの違いとは何か
- DQやIQを検査する方法
- DQとIQの検査を使い分けたケース(実体験)
DQとIQはそれぞれ子供の発達などを示す指標であり、日本語で訳すと、それぞれ下記の通りです。
- DQ:発達指数
- IQ:知能指数
軽度知的障害+弱視の息子は、どちらの指数も調べたことがありますが、DQは運動面や生活面などの発達度合いもわかるのが特徴です。
一方、IQは就学相談などの際に測定する必要があるため、状況に応じて受ける検査を使い分けるのが良いでしょう。
本記事では、DQとIQの違いや、それぞれの検査を子供が受けたときの感想を解説します。
DQとIQの違いとは?
子供の発達の目安として、医療機関や相談機関で「DQ(発達指数)」や「IQ(知能指数)」という言葉を耳にすることがあります。
一見似ているこの2つの指数ですが、意味や測定方法、使われる場面には違いがあります。
障害児育児をしている私自身、最初は混乱したのですが、小学校入学前の準備にあたって「子供の得意・苦手を知る手がかり」として理解しておくと役立ったので解説していきます。
DQ(発達指数)とは
DQ(Developmental Quotient)は、乳幼児期や就学前の子供を対象に「どのくらい発達しているか」を評価する指標です。
「発達年齢 ÷ 実年齢 × 100」という式で算出され、身体や運動、言語、社会性など、複数の領域を総合的に測定します。



DQが100=実年齢と発達年齢が一致しているということになります
例えば、実年齢が4歳で発達年齢が3歳なら、DQは75になります。
特に、1~6歳ごろまでは成長のばらつきが大きいため、IQよりもDQで評価されることも多くあります。


IQ(知能指数)とは
IQ(Intelligence Quotient)は、主に就学後に行われる知的能力の評価指標であり、言語理解や推論、作動記憶、処理速度などの能力を測ります。
日本でよく使われているWISCという知能検査では、平均は100とされています。
IQは知的障害の基準としても活用されており、目安は以下の通りです。
IQ | 知的障害の程度 |
---|---|
20以下 | 最重度知的障害 |
21~35 | 重度知的障害 |
36~50 | 中度知的障害 |
51~70 | 軽度知的障害 |
※上記はあくまで目安であり自治体によっても異なりますし、子供の実際の様子なども知的障害の判定に影響してきます。
IQは「どれだけ賢いか、遅れているか」の指標となるだけでなく、療育手帳(愛の手帳)の判定や就学相談の資料としても活用されることが多くあります。



我が家では、小学校の就学相談の際にIQ検査を受けました


DQやIQが低い場合に起こりうる困り事
DQやIQが平均より低い場合、生活の中で様々なな困り事が生じる可能性があります。
息子の場合、幼稚園時代では指示が通りにくく加配をつけてもらっていました。



小学校入学後は、「名前を書けない」「学習内容が定着しにくい」などの問題を抱えています
DQやIQによっては、幼稚園・保育園時代はみんなと仲良く過ごしても、小学校入学後に学習中心の生活になってから困ってしまうこともあるでしょう。
DQやIQを検査する方法
子供の発達の遅れや得意・不得意を客観的に知るには、DQ(発達指数)やIQ(知能指数)の検査が有効です。
我が家でも、療育手帳の申請や就学相談の際に必要となり、過去に何度か正式な検査を受けています。
DQやIQを検査するには、医療機関や児童相談所などに相談することをおすすめします。
それぞれ詳しく紹介していきます。
医療機関を受診する
最も一般的な方法のひとつが、発達外来や小児神経科、小児精神科などの医療機関を受診して検査を受けることです。
発達の遅れがわかってくると、かかりつけの小児科や乳幼児健診で専門の医療機関を紹介されることもあります。
DQは「新版K式発達検査」などのツールで測定され、IQは「WISC(ウィスク)」などの知能検査によって測られます。
検査は1〜2時間ほどかかることがあり、子供の集中力やその日の体調によって結果に差が出ることもあるため、検査時の年齢によっては場所や心理士に慣れるために複数回の面談を行う場合もあります。



息子が初めて検査を受けたときも、親子で面談をしてから検査でした!
我が家の場合は、息子が急性脳症の後遺症で大学病院に通っているので、そこの心理相談室にて検査を受けました。



早い段階から発達について相談できる病院とつながっていたため、検査まではスムーズだったように思います
乳幼児健診などで初めて発達の遅れを指摘され検査を受ける場合、地域や病院によっては検査まで数ヶ月近くかかることもあるのでご注意ください。
少しでも、子供の発達や生活に不安なことがあれば、保護者自ら積極的に声をあげていくことが大切です。
児童相談所に相談する
もうひとつの方法が、各自治体にある児童相談所や発達支援センター(こども発達センターなど)に相談することです。
自治体によって名称や窓口は異なりますが、「発達に関する相談をしたい」と伝えると、面談や検査につながることが多いでしょう。



乳幼児健診で発達の遅れを指摘されると、地域の発達支援センターにつながれることもあります
児童相談所にも心理士が常駐しているため、専門職の方に検査をしてもらえます。
ただし、医療機関ではないので、検査結果に基づく「診断名」はつかないケースもある点に注意しなければなりません。
合理的配慮を求めるために、DQやIQの指標だけではなく診断名や医師の所見も必要な場合は、最初から医療機関を受診した方が早いケースもあります。
【体験談】発達検査(DQ)と知能検査(IQ)の検査を使い分けたケース
我が家は、軽度知的障害+弱視の息子がおり、過去に何度か発達検査や知能検査を受けています。
基本的に医師に言われるがまま検査を受けていたのですが、こちらの困っていることや希望を伝えると、検査の時期や内容を調整してもらえました。
結果として、DQとIQの検査を上手に使い分けられたので、そのときの経験を紹介します。
運動面の発達も知りたいときに発達検査を受けた
息子は生後2ヶ月のときに急性脳症になり、それ以降は年に一度くらいの頻度で医師の問診による「遠城寺式乳幼児分析的発達検査」を受けていました。



結果については、知らされることもなく、医師が診察の一環に発達傾向を診るために行っている感じでした
しかし、息子が年中になり加配がついたことや、「もらえるなら特別児童扶養手当を申請したい」と言ったところ、正式な発達検査を行うこととなりました。
知的な面だけでなく、運動面の遅れや指先の不器用さも気になると話したところ「新版K式発達検査」を受けることが決まりました。
- 言語や運動、社会性など、複数の発達領域ごとに評価され、全体的な発達指数(DQ)が出される検査
- 「知能」というよりは「生活力」や「体の使い方」などの総合的な発達のバランスが分かる点が特徴



実際、検査当日は心理士さんに「ケンケンしてみて」などとも言われていました
検査の結果、全体のDQは84で、運動面が弱いことが数値としても明らかになりました。
困り事の伝え方などのアドバイスを受けられたものの、特児の適用要件には該当しないと言われ、惜しいと思った記憶があります。


就学相談の前には知能検査を受けた
年長になる前の春休みに、次は知能検査を受けました。



これは就学相談の資料として活用するためです
私が住む地域では、年中の2月から就学相談を申し込みできたので、相談員との面談が本格化する前に検査結果をもらえるように調整しました。
このときには、自治体が指定していたIQ検査(WISC-Ⅳ)を受けました。
このときは発達全体というよりも、「学習面の理解力や集中力」「記憶力や判断力」といった学校で求められる力を知るための検査でした。



落ち込みはしたものの療育手帳も取得できましたし、就学相談も希望が通ったので良かったこともありました


息子の結果は69であり、DQよりも低く出ていました。
DQとIQの違いについてよくある質問
最後に、DQとIQの違いについてよくある質問を回答と共に紹介していきます。
- DQとIQの違いは何ですか?
-
DQ(Developmental Quotient)は、乳幼児期から未就学児までの発達の度合いを評価する指標です。
発達検査(例:新版K式発達検査)で「発達年齢 ÷ 実年齢 × 100」の計算式で求められ、言語・運動・社会性など多方面の発達状況を数値化します。
一方、IQ(Intelligence Quotient)は、主に就学年齢以降に用いられ、知能検査(例:WISC-Ⅳ)で「知的能力の特性」を測ります。
- DQとIQの数値の目安はどれくらいですか?
-
DQもIQも、基本的に「100が平均」とされています。
例えば、DQやIQが70程度であれば実年齢よりもやや遅れがあると感じる機会もあるでしょう。
【まとめ】必要に応じて検査を使い分けましょう
子供の場合、DQもIQもそこまで大きな違いありません。
- DQ:運動や生活面の発達度合も調べられる
- IQ:知能面に特化した発達度合を調べられる
IQは就学相談の資料や療育手帳の判定基準に使用されることもあるので、年中から年長のタイミングで受けることもあるでしょう。
一方、手先の不器用さや運動面の遅れが気になる場合には、別のタイミングでDQを測定しておくのもおすすめです。



日々の診察で困り事などを医師に伝えておくと、必要な検査につながりやすくなるはずです
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