お悩み何度も教えているのに覚えられない。どう伝えればいいんだろう。



昨日はできたのに今日はできない。また教え直すのがつらい日もある……



知的障害のある息子を育てる私も、忘れやムラに戸惑うことがあります。
- 本人が困っているかを見て、声かけや伝え直し方を選ぶ
- 伝わりにくいときは、ヒントや説明の方法を変える
- 親が疲れた日は、手伝って済ませたり、教える量を減らしたりする
わが家では、少ない回数で覚えることより、時間をかけて身につくことを目指しています。
この記事では、ひらがなや生活の手順を繰り返し教えている経験から、その場での接し方と、親の負担を調整する工夫を紹介します。
知的障害のある息子は覚えたことを忘れる・できない日がある
知的障害のある息子は、一度教えてすぐに覚えることは少なく、何度も繰り返し、数か月かけてようやく「身についたかな」と感じることもあります。
それでも、昨日できたことが今日はできない、以前覚えたことを忘れている、といった場面はよくあります。
ひらがなや数字は昨日できても今日はできないことがある
例えば、昨日は読めて書けていたひらがなが、今日は読めないことがあります。



数字の理解にも、できる日と難しい日があります。
また、読めていた文字でも、別の場所で使われていると読めないことがあります。
親から見ると同じ文字なので、「これも知っているはず」と思ってしまいます。
息子にはワーキングメモリの問題もあり、気分によるムラも感じています。
ただ、目の前の「できない」が、忘れたからなのか、その日の状態によるものなのかを、毎回はっきり分けられるわけではありません。
生活の手順も繰り返し伝えている
覚えるまでに時間がかかるのは、勉強だけではありません。
例えば、「ズボンを洗濯機に入れる前にポケットのハンカチを出す」といった生活の手順も、一度伝えれば身につくわけではないので繰り返し教えています。



本人が「忘れちゃった」と困ることもあれば、忘れたことに気づいていないこともあります。
覚えられない・忘れたときは今の様子に合わせて伝え直す
息子が忘れたり、以前できたことができなかったりするときは、本人の反応を見ながら声のかけ方や手助けを変えています。
本人が「忘れちゃった」と困っていたら聞いてもよいと伝える
息子が「教えてもらったのに忘れちゃった」「なかなか覚えられない」と困っているときは、明るく軽めに伝えています。



「忘れてもいいんだよ、ママが何度でも教えてあげるし、先生やお友達も聞けば教えてくれるよ!」などと伝えています。
息子が自分を責めすぎず、分からないときに助けを求められるようになってほしいと思っているからです。
お子さんが忘れたことを気にしているなら、「もう一度一緒にやろう」「分からなくなったら聞いてね」と伝える方法もあります。
本人が困っている部分を話せそうなら、そこから手伝ってみてください。
忘れた自覚がなければ初めて教えるように伝える
息子が忘れたことに気づいていないときは、初めて教えるように説明しています。
私にとっては何度も教えたことでも、その回数を確認するより、今やることを伝えるようにしています。
例えば、ポケットにハンカチが入っているなら、「洗濯機に入れる前にハンカチを出そう」と必要な動作を伝える形です。



忘れた自覚があるかを無理に確かめず、今どこで手が止まっているかを見て、その部分を教え直します。
伝わりにくいときはヒントや伝え方を変えてみる
息子には弱視もあるため、見せるだけに頼らず、言葉を変えて説明したり、実際にやってもらったりしています。
同じ説明を続けても難しそうなときは、次の点を確認してみてください。
- 少しヒントを出せばできるか
- 言葉より、一緒に動作をする方が伝わるか
- 一度に伝えることを減らすと取り組めるか
生活の手順なら、次の動作をひとつだけ伝える方法もあります。



伝え方をひとつ変えて反応を見ますが、本人が辛そうなら、練習を切り上げることも考えます。
親が疲れている日は教える量を減らしてもよいと考えています
何度でも教えたいと思っていても、いつも穏やかに対応できるわけではありません。
疲れている日は、意図的に指示や教育を減らしています。
余裕がないと同じ「できない」に落ち込むこともある
私の気持ちが安定しているときは、繰り返し教える中でも「少しずつ成長しているな」と感じられます。
一方で、疲れていたり落ち込んでいたりすると、「なんでこんなことも覚えられないの」「障害がなければ」「もう疲れた」と思ってしまいます。



私自身の状態によっても、受け止め方が変わるのです。
「昨日も言ったよ」「何度言わせるの」は、できるだけ使わないようにしています。
何度教えたかを伝えても、息子が今分からないことの手助けにはならないと考えているからです。
余裕がなくて言ってしまうこともあるので、疲れに気づいた日は、教える場面そのものを減らします。
生活の用事は親が手伝って済ませる日もある
例えば、息子がハンカチを出さずにズボンを洗濯機へ入れたとき、私が疲れていれば、「今日は黙って私が直そう」とハンカチを出してすませます。
息子を呼んで説明し、もう一度やってもらうところまではしません。その日は、洗濯を進めることと、手順を練習することを分けています。
家庭で迷ったときも、「今すませる必要がある用事か」「本人と親に練習する余裕があるか」を分けて考えてみてはいかがでしょうか。



急いでいるなら手伝う、余裕があるなら一緒にやる、と変えてよいと思います。
勉強もその日に教えることを減らす
私が疲れている日は、ひらがななどの勉強についても初めて教えることのように説明してしまいます。
「昨日はできたよね」と思い出すよう促すやり取りを重ねず、今必要なことを伝える形です。
親に余裕がない日は、学習量を減らすほか次のような方法もあります。
- 一問を一緒に進める
- 手順を伝えて終える
- その日の練習を見送る



親自身の状態も、その日の関わり方を決める材料にしてよいと思います。
少ない回数で覚えることより長い目で身につくことを目指す
わが家では、少ない回数の説明で覚えることを目標にはしていません。
生活に必要なことが、時間をかけて身についていけばよいと考えています。
「大人になるまでに身につけば」と考えている
私が普段考えているのは、「息子が大人になるまでに身につけていればいいや」ということです。



今日教えたことを明日も覚えているか、何回説明すればできるかを気にし続けると、私自身が疲れてしまいます。
数か月かけて身につくこともある息子には、長い時間軸で考える方が、私も関わりやすいのです。
とはいえ、これは、あくまでもわが家での考え方です。今必要なことや、少しずつ練習したいことは、子どもや家庭によって違います。
覚えてほしいことがいくつもあるなら、ひとつ選び、「今すぐ必要なのか」「時間をかけて身につけたいのか」を整理してみてはいかがでしょうか。
1人でできるかだけでなく必要な手助けも考える
目標を考えるときは、どの部分に手助けが必要かも見てみます。
例えば、洗濯前にハンカチを出す場面なら、次のように整理できます。
- 声をかけると、自分で出せる
- 一緒にポケットを確認すると、出せる
- ハンカチを出すところから手伝う必要がある
これは、手助けを整理するための例です。同じ「一人ではできない」でも、必要な支援は異なります。
今は声かけを受けながら取り組むのか、一部分を自分でできるように練習するのか。必要な手助けを整理したうえで、今目指すことをひとつ決めてみてください。
知的障害のある子の「覚えられない・忘れる」についてよくある質問
最後に、知的障害のある子が「なかなか覚えられない」「すぐに忘れてしまう」ときによくある質問を回答と共に紹介します。
- 好きなことは覚えているのに勉強や生活の手順を忘れるのはなぜですか?
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それだけで、やる気の問題とは決められません。好きなことと苦手なことでは、触れる回数や情報の量、伝えられ方などが違う場合があります。
例えば、名前をひとつ覚えることと、複数の動作を順番に行うことでは、求められることが違います。覚えやすい場面の特徴を、難しい場面の助け方を考える材料にしてみてください。
- 家ではできるのに学校や別の場所ではできないときはどうすればいいですか?
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教材や使う言葉、周囲の音、手助けの違いを確認してみましょう。
例えば、家では大人が一文字ずつ指し、学校では文章から読む文字を自分で探している、といった違いも考えられます。家庭でできたときの条件を先生に伝え、学校での取り組み方と比べてみましょう。
- 忘れるたびに教え直す以外に家庭でできる工夫はありますか?
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物の置き場所を決める、手順を確認できる手がかりを用意するなど、覚えておくことを減らす方法があります。
手順表も本人が読めるか、いつ使うかが分かるかを確認してみましょう。文字・写真・音声などから使える方法を選び、繰り返し困る生活場面をひとつ選んで試してみてください。
- 家庭での教え方に迷ったら先生に何をどのように伝えればよい?
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「覚えられません」に加えて、次の内容を伝えると相談しやすくなります。
- 何をするとき、どこで難しくなるか
- できるときと難しいときの違い
- 試した手助けと本人の反応
- 親の負担など、家庭で続けにくいこと
「学校ではどんな助け方をしていますか」「家庭では何を優先するとよいですか」と聞き、取り組み方を相談しましょう。
まとめ|本人の様子と親の余裕から、今日の関わり方を選ぶ
知的障害のある子が覚えられない・忘れるときは、以前できたことや教えた回数だけで判断せず、今の様子から手助けを考えてみてください。
本人が困っていれば、もう一度教えることや、人に聞いてよいことを伝えてみましょう。説明が伝わりにくければ、ヒントや方法を変えてみるのもおすすめです。



親が疲れていれば、手伝ってすませる日があってもよいと思います。
次に同じ場面が起きたら、「本人は困っているか」「どんな助けがあればできるか」「今日は教える余裕があるか」の3つを確認してみましょう。
わが家も忘れやムラに戸惑いながら、息子に必要なことを、長い目で繰り返し伝えています。











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